吸引分娩、鉗子分娩、帝王切開と赤ちゃんの頭の形の関係
当院では初診時に必ず赤ちゃんの分娩方法を必ず確認しています。
それは頭蓋変形症の赤ちゃんには吸引分娩や鉗子分娩のことが多いと感じているからです。
出産のときに赤ちゃんの身体で一番大きい頭がお母さんの産道を通る際に、正常分娩でも赤ちゃんの頭には圧力がかかります。なので正常分娩でも頭蓋変形症になることはあります。
吸引分娩や鉗子分娩などでは更に頭に圧力が加わるために、その影響で頭蓋骨が変形することが多いです。
中にはレントゲンで吸引分娩や鉗子分娩の後が確認できたり、血のこぶである頭血種を認めることがあります。こうした理由から初診では必ずレントゲンを撮影して頭蓋骨に病気がないかどうか確認します。
軽傷であればヘルメット治療には特に支障はありませんが、重症であればヘルメット治療の前に小児脳神経外科の専門の先生に確認してもらうこともあります。
吸引分娩や鉗子分娩は赤ちゃんを無事に出産するために時に必要な手段です。頭の形よりも赤ちゃんの命が優先されるのは当然ですので、一概に吸引分娩や鉗子分娩を悪者扱いすることは一概にできないと思います。
今までの経験上、帝王切開での赤ちゃんに頭の歪みが多いということは特に感じておりません。むしろ帝王切開の赤ちゃんのヘルメット治療は少ないと思います。
正常分娩でも帝王切開でも赤ちゃんの頭の形が歪んでしまうことはあります。どのような分娩方法であったとしても赤ちゃんの頭の形で悩まれることがあればご相談ください。